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東芝情報システム株式会社の製品技術

波形特性自動判定ツールの紹介
Waveform meister®

オシロスコープで取得した波形特性をAIで自動判定

はじめに

 Waveform meister(ウェーブフォームマイスター)は波形特性判定に特化し、学習・評価・判定をパッケージで提供するAIプラットフォームです。LSI開発における電気的特性評価など、オシロスコープを用いた波形確認や異常判定は大量の波形データを技術者の目視判定に頼っていました。Waveform meisterは大量の波形データを技術者の習熟度によらず短時間で異常判定・特性分類・特定波形検出が可能になり、開発工程の効率化と品質向上に貢献します。

※以下、掲載される図はクリックすると拡大表示されます。

波形確認の課題

 波形をチェックする際の課題として以下の三つが挙げられる。
① 波形のチェックに時間がかかる
② 技術者によって判定結果に差が発生する
③ 過去の経験がいかせず、判定誤りを繰り返す

 ①は、大量の波形チェックを目視で確認すると多くの時間がかかる課題である。波形チェックを実施していく中で、チェックしたい異常波形の見逃しや過検知が発生してしまい、再確認の時間も発生してしまう。また、技術者によってチェック時間に差が発生するため、技術者の属人化や、長時間のチェック作業による作業効率の低下が課題になる。
 ②は、波形の判定結果が技術者によって差異が発生する課題である。例えば、経験豊富な技術者と経験が浅い技術者では、同じ波形を見ても判定結果に差が生じる可能性がある。この判定結果の差異は、波形チェックの品質に影響する。
 ③は、波形判定の経験が一部の技術者に集中し、過去の判定経験の共有が関係者間で進んでいない課題である。その結果、過去に発生した判定誤りと同じ判定誤りを繰り返してしまう。近年では技術の継承問題もあり、各技術者が持つノウハウを資産として残したい要望も増えてきている。

波形特性自動判定ツールの活用事例

 Waveform meisterを利用したAIによる波形判定の活用事例を紹介する。利用者がカスタマイズしてAIによる最適な波形特性の自動判定が実現できる。第4図は、「電源ICの電気的特性評価」の活用事例である。オシロスコープのチャンネル1からチャンネル4の波形を階段波形、スパイク波形、リンギング波形、そして正常波形と、複数の種類に波形を判定する仕組みをWaveformmeisterで構築した。データ学習は、1,200枚の波形データを用意してAIによる自動判定を実現している。
第5図は、目視判定とAI判定の比較結果である。熟練技術者と同等の品質の波形チェックを短時間で実現できる。目視確認をAIに置き換えることで、波形チェックの作業効率を85%改善できた。熟練技術者が目視確認した際の判定精度98.4%に対して、AIによる判定精度は98.1%となり、高い精度が得られた。
 Waveform meisterのデータ判定処理は、利用者の既存テストシステム(例:自動測定プログラム)に接続することが可能である。第6図に示すように、利用者のテストシステムで測定した波形データを用いて、テストシステムからwaveform meisterのデータ判定コマンドを実行し、データ判定処理を行う。Waveform meisterが、判定した結果を利用者のテストシステムへ通知する仕組みとなる。この接続方法により、「測定」と「判定」を統合したテストシステムを構築することができる。様々なテストプログラムやシステムの接続や、計測機器へのツールの組み込みを考慮して、Waveform meisterのデータ判定の機能は、CUI方式を採用している。

おわりに

 Waveform meisterは、LSI製品や電子機器製品の「評価」や「検査」向けに開発した波形特性自動判定ツールである。評価業務でよく利用されるオシロスコープ等の波形データを技術者のかわりにAIが判定するツールとなる。データ学習からデータ判定までのAI処理を一つのツールにパッケージ化して提供するプラットフォームである。利用者の波形データに合わせてAIによる波形特性の自動判定環境を開発できる。Waveform meisterを使うことで、評価業務の作業効率化が可能である。さらに利用者が持つ既存のテストシステムに組み込むことで、測定から判定までをリアルタイムで行う先進的なAIテストシステムの構築も可能である。Waveform meisterを利用いただき、AI導入の推進や、業務効率化に役立てていただければと考えている。今後、LinuxのOS対応や、波形を判定した理由をAIが説明する機能の開発を計画している。販売実績として、半導体設計ツールを開発する企業の波形ビューワーソフトウェアに本ツールが採用され、ライセンス提供を開始した。今後、波形データの「評価」や「検査」だけでなく、「異常検知」や「協業企業向けのライセンス提供」でもWaveform meisterの採用が増えていく予定である。ぜひWaveform meisterを利用して、AIによる波形特性の自動判定を実現していただきたい。

Waveform meister®

のポイントをおさらい

01

波形チェックの
時間を削減

大量の波形を目視チェックするには膨大な時間がかかります。波形チェックを実施していく中で、検出したい異常波形の見逃しや過検知の発生により再確認の負担も発生してしまいます。

また、技術者によって品質に差が生じるため、属人化や、特定の担当者の長時間作業による作業効率の低下を引き起こしています。AIを活用して事前の学習データから導き出した判定モデルにより自動検出を実現し、波形チェックの時間を削減します。

02

波形チェックの
バラツキを解消

波形の判定結果が技術者によって差異が発生する課題があります。例えば、経験豊富な技術者と経験が浅い技術者では、同じ波形を見ても判定結果に差が生じる可能性があります。この判定結果の差異は、波形チェックの品質に影響するものとなります。AIを活用して経験豊富な熟練者の判定データを判定モデルに取り込むことで波形チェックのバラツキを解消します。

03

過去の判定結果が
共有されていない

波形判定の経験が一部の技術者に集中し、過去の判定経験の共有が関係者間で進んでいない課題があります。その結果、過去に発生した判定誤りと同じ判定誤りを繰り返してしまうことがあります。近年では技術の継承問題もあり、各技術者が持つノウハウを資産として残したいという要望も増えてきています。AIを活用して過去の判定誤りを判定モデルに取り込むことで過去の判定結果を踏襲した判定が可能となる。

03

小見出し

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